横浜FCゴール裏20081005

横浜FC 2-2セレッソ大阪
得点者:(横)三浦淳宏、エリゼウ (大)小松塁×2
(J2第39節/国立霞ヶ丘競技場/2008年10月5日)

 故あって、国立競技場で行われたJ2第38節へ。勝点53で6位のセレッソ大阪と、勝点39で11位の横浜FCの対戦である。3位のモンテディオ山形の勝点が59で、残りはこの試合を含めて7試合。セレッソ大阪がまだJ1昇格を望める位置にいるのに対し、横浜FCは、理論上は辛うじて3位になる可能性を残しているものの、実質的には昇格が消えている。置かれた状況だけを考えればモチベーションに差がありそうな両チームだが、今季J2唯一となる国立競技場の試合を主催する横浜FCとしても、集まった2万人を超える観衆を前にして無様な試合はできない。
 その設立の過程から地域に根ざしたクラブ運営の重要性を良く知る横浜FCが国立で試合を開催するのには、横浜FCなりの事情がある。が、何にせよ、それを可能にしているのは、三浦知良というタレントの存在であろう。しかしこの試合で横浜FCはカズをベンチにも入れなかった。最初は故障なのかと思ったが、都並敏史監督のコメントからすると、純粋に戦術的な理由であるらしい。この日、おそらく本来の横浜FCのサポーター以上にカズ目当ての観客が多いだろうことは関係者の誰もが知っているはずで、都並監督としても苦渋の決断だったのではないか。

 しかし、さすがだなと思うのは、カズがオーロラビジョンでメッセージを流し、自らバックスタンド裏のアンケート回収ブースに姿を現したこと。ベンチ外、それも戦術的理由で外されたスター選手がここまでやってくれることの意義は大きい。この日はスポンサーである教育関連企業の招待券で来場した子供達の姿も目立ったが、その多くは横浜FCの試合を見るのが初めてというだけではなく、もしかしたらサッカー観戦自体が初めてかもしれないのだ。

 そのカズに代わってこの日、右サイドの攻撃的なポジションに入ったのは山田卓也。前節から戦列復帰した主将は、8月30日の第33節以来の先発となったこの試合でJリーグ300試合出場を達成した。なお、彼にとっては古巣との対戦となる。

 試合は序盤こそ横浜FCが良い形を作るが、すぐにセレッソ大阪が主導権を握る展開に。しかし、横浜FCにはカズの他にもう1人、忘れてはならない重要な“三浦”がいる。均衡を破ったのは三浦淳宏の鮮やかなミドルシュートだった。これだけでも観に来た甲斐があるというくらいの一撃である。

 しかし、“飛び道具”による失点を喫しても、セレッソ大阪がゲームを支配する構図は変わらない。セレッソ大阪の攻撃の核は、7月から加入したカイオ。2トップの一角での出場だが、元々MF登録の選手だけあって組み立て段階から彼が中心となる。とても効果的な補強をしたものだ。これからが楽しみな選手である。だが、攻められながらも粘り強く守った横浜FCは、1点をリードしたまま試合を折り返すことに成功した。

 さて後半。立ち上がりからさらに攻勢を強めるセレッソ大阪では、カイオに加えて香川真司が輝きを増してくる。そして21分、遂に横浜の守備陣が破られる。カイオのスルーパスを受けた小松塁の同点弾。そしてその8分後にまたも小松の左足から逆転弾が生まれる。

 しかし、この日の横浜FCはこのままでは終わらない。32分に三浦淳のFKにエリゼウが合わせて再び同点。セレッソ大阪はボランチの藤本康太に代えてFW古橋達弥を投入してより攻撃的な布陣に切り替えたが、攻めきることができずに試合はこのまま2-2で終了。この結果により横浜FCはJ1昇格が完全に消滅し、セレッソ大阪の3位浮上もかなり厳しくなった。

 カズこそ出場しなかったものの、三浦淳のミドルシュートやカイオ、香川といった若手選手のキレのあるプレーなど、見所の多いゲームであった。「サッカーって面白い」と思ってくれた子供達も多いのではないだろうか。

2008.10.09 Thu l サッカー l COM(0) TB(0) l top ▲

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