浦和レッズ 2-0アル・カディシア
得点者:(浦)相馬崇人、田中マルクス闘莉王
(ACL準々決勝第2戦/埼玉スタジアム/2008年9月24日)

 第1戦最終盤のアウェー・ゴールが効いて2点差以上の勝利もしくは1失点以下の勝利なら準決勝進出の浦和と、引き分け以上に持ち込むか、1点差負けでも2得点していれば準決勝進出のアル・カディシア。どう転んでもおかしくない点差である。
 この日の浦和はオーソドックスな3-5-2の布陣。出場停止の堀之内に代わって阿部がDFラインに下がり、細貝萌と山田暢久でボランチを構成。右サイドで平川忠亮を先発起用し、前線では高原直泰とエジミウソンが2トップを組んだ。

 対するアル・カディシアも、2人の選手が入れ替わった。まずはグループリーグ5試合で4枚のイエローカードを貰って出場停止だったボランチのケイタ。ボランチでイエローが多くて名前がケイタなんて、どこかで聞いたような話だが、多分、気のせいだろう。もう1人も出場停止明けのアル・ナマシュ。こちらは右サイドバック。第1戦で右サイドバックを務め、前日も監督と一緒に記者会見に臨んでいたアル・シャマリは何故かベンチにもいない。

 開始早々、高原とエジミウソンで好機を作るなど、ホームの浦和がとても良い形で試合に入る。アウェーのアル・カディシアもケイタ復帰でポジションを前線に近い位置に移したスリム・ベン・アシュールが前回以上に軽快な動きを見せるなど再三にわたって形を作るが、浦和DF陣がぎりぎりのところで踏ん張ってほとんどシュートらしいシュートまでは辿り着けない。

 試合を優勢に進めた浦和だったが、ようやく得点できたのは31分。先制点はCKから。ポンテのCKはDF陣にクリアされたが、こぼれ球を相馬崇人が左足でダイレクトボレー。これが見事に決まった。

 この日は得点シーン以外でも左サイドからの相馬の突破が非常に効いており、右サイドの平川も要所で存在感を示した。この快速両サイドが揃って活躍した試合なんていつ以来だろう?

 リードを奪われ、そのままでは敗退のアル・カディシアもベン・アシュールとムタワーを中心に反撃に出るが、試合はそのまま浦和リードで折り返す。

 そして後半。試合を決定付ける得点が浦和に生まれる。8分に、ポンテのFKをペナルティ・エリア内で受けた闘莉王が角度のないところから右足で鋭いシュートを決めて、2点目。技ありのゴールである。

 後半18分、アル・カディシアはハラフとヨヴァンチッチの2人を一気に投入して事態打開を図る。この2人は狙い通り攻撃を活性化させ、何度か決定的な場面を作り出すが、試合の流れはもはや変えられない。

 後半38分にはポンテに代わって鈴木啓太が久々に登場。ボランチ“ケイタ”の競演(?)が実現するが、程なくアル・カディシアのケイタの足が限界に達したためにわずか3分で終演。

 長いロスタイムには相馬のちょっとかわいそうな遅延行為判定や乱闘寸前の事態とそれに起因するフセインの退場劇、ヨヴァンチッチのバー直撃弾など少々バタバタしたが、集中力を切らさず乗り切った浦和が2-0の勝利。

 無事、準決勝進出を決めたからこそ言えることだが、この準々決勝第2戦はお互いに持ち味を出して見せ場を作ったエキサイティングな好ゲームだった。浦和としては、現時点ではこれが今季ベストマッチじゃないだろうか?

 しかし全体的に浦和が優勢だったとは言え、シュート数は10本ずつ。直接FKとCKの数アル・カディシアの方が上回った。セットプレーをことごとく決められた前回の教訓からか、今回は危険な位置でファウルをせず、ベン・アシュールにプレイス・キッカーとしては決定的な仕事をさせなかった浦和DF陣だが、3失点で敗れた前回のアウェー戦よりも、流れの中で危ない場面を作られることは多かった。まさか遠慮したわけでもないだろうが…。でも、そうした危ない場面に直面しても、この日の浦和DF陣は土壇場で底力を発揮した。

 この女神のちょっとした気まぐれ次第でどうなってもおかしくない試合で高い集中力を保ち、2-0の勝利をものにできたのには、赤く染まったホーム・埼玉スタジアムのスタンドの威力がいつも以上に貢献していたのではないかと思う。これぞホーム・ゲームだ。

 前線の高原とエジミウソンも、直接得点にこそ絡まなかったものの、動きにキレが戻ってきた。今年開幕当初にレギュラーとして想定されていた2人の復調は好材料と言える。

 リーグ戦の内容が微妙でもACLになると良い試合をする、という傾向は単純に喜んで良いのかどうか微妙なところだが、きっとこれからは好循環になる、と信じたい。

 準決勝の対戦相手はガンバ大阪。ACL史上初の日本勢対決であり、どちらが勝っても日本のチームが決勝を戦うことになる。長距離遠征がないという点では両チームにとって組み合わせと言えよう。

2008.09.30 Tue l サッカー l COM(0) TB(0) l top ▲

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