【北京五輪】1次リーグ
カナダ代表 0-1 日本代表(8月18日)
野球におけるロースコアの試合は「投手戦」と「貧打戦」に分けられる。前者であれば手に汗握る好試合、後者であれば歯痒い凡戦と位置付けられるわけだが、この日の試合は投手戦と呼ぶのがふさわしいだろう。まずは好投した両チームの6名の投手、そして数少ない甘い球を見逃さずに本塁打した稲葉篤紀に惜しみない拍手を送りたい。
カナダ代表 0-1 日本代表(8月18日)
野球におけるロースコアの試合は「投手戦」と「貧打戦」に分けられる。前者であれば手に汗握る好試合、後者であれば歯痒い凡戦と位置付けられるわけだが、この日の試合は投手戦と呼ぶのがふさわしいだろう。まずは好投した両チームの6名の投手、そして数少ない甘い球を見逃さずに本塁打した稲葉篤紀に惜しみない拍手を送りたい。
韓国戦で手痛い継投ミスをしてしまった日本ベンチだが、この日の投手起用は狙い通り、ぴたりとはまった。まず先発起用されたのは左腕・成瀬喜久。ダルビッシュ有の2度目の先発登板が有力視される中での成瀬先発は、左打者の極端に多いカナダ打線との相性や、ローテーションと力関係の兼ね合いを考えての起用と思われるが、これが見事に当たった。また成瀬から藤川球児への継投のタイミングも決まったし、最後の上原浩治の投入も成功した。
ついに本当に緊迫した場面での登板機会が巡ってきた上原は、9番打者から始まるカナダの攻撃をわずか9球で三者凡退に打ち取り、期待に応えた。ただ、これをもって「上原完全復活!」と煽り立てることは避けたい。上原浩治ほどの投手に対し、1回か2回抑えただけで完全復活云々を言うのは失礼だろう。彼の本来のレベルを考えれば当然の投球をしたまでだ。しかしながら、ストッパーが大事な場面で役割を果たしたことがチームに与える効果は小さくない。
星野仙一監督は、上原復活を演出しつつ勝利を確実なものとするために万全の体制を敷いた。宮本慎也を初めて「守備固め」に投入し、捕手にもベテランの矢野輝弘を起用した。絶妙だったのは、この“救援捕手”矢野投入のタイミングだ。矢野が交代出場したのは藤川が登板した8回裏から。8回表に先発捕手・里崎智也に打席が回ったこと、阪神でもバッテリーを組む藤川がマウンドに上ったことに伴う起用だが、「上原登板時にバタバタしないための先行投入」でもあったというのは深読みのし過ぎだろうか? 藤川はこれまで里崎・阿部慎之助両捕手と組んでも結果を残している。しかし上原を僅差のマウンドに送り出すのに捕手も内野も同時にベテランに交代させる、というのではリリーフ・エースとして今ひとつ信頼しきれていない印象を与えてしまう可能性がある。また、これが初出場となる矢野が試合に入りやすいように、という配慮もあったかもしれない。
一方、攻撃面では再三にわたって走者を出しながら、結局は本塁打の1点のみ。もちろん、それで稲葉の決勝本塁打の価値が下がることはないのだが、チームとしての課題は残ったままだ。好投手を相手にした時こそ、戦術的な「揺さぶり」は重要である。こういった試合で多様な攻撃パターンを見せておくことは、今後対戦するチームにプレッシャーを与える効果もあるのだ。
しかしながら、「攻撃の策は乏しいが、虎の子の1点はなりふり構わず守り抜く」という展開は、良くも悪くもこのチームらしい。「逃げ切るべきところを逃げ切れなかった」韓国戦の直後の試合をこのような形で勝てたのは、悪い流れを断ち切る上では良かったのではないか。
ついに本当に緊迫した場面での登板機会が巡ってきた上原は、9番打者から始まるカナダの攻撃をわずか9球で三者凡退に打ち取り、期待に応えた。ただ、これをもって「上原完全復活!」と煽り立てることは避けたい。上原浩治ほどの投手に対し、1回か2回抑えただけで完全復活云々を言うのは失礼だろう。彼の本来のレベルを考えれば当然の投球をしたまでだ。しかしながら、ストッパーが大事な場面で役割を果たしたことがチームに与える効果は小さくない。
星野仙一監督は、上原復活を演出しつつ勝利を確実なものとするために万全の体制を敷いた。宮本慎也を初めて「守備固め」に投入し、捕手にもベテランの矢野輝弘を起用した。絶妙だったのは、この“救援捕手”矢野投入のタイミングだ。矢野が交代出場したのは藤川が登板した8回裏から。8回表に先発捕手・里崎智也に打席が回ったこと、阪神でもバッテリーを組む藤川がマウンドに上ったことに伴う起用だが、「上原登板時にバタバタしないための先行投入」でもあったというのは深読みのし過ぎだろうか? 藤川はこれまで里崎・阿部慎之助両捕手と組んでも結果を残している。しかし上原を僅差のマウンドに送り出すのに捕手も内野も同時にベテランに交代させる、というのではリリーフ・エースとして今ひとつ信頼しきれていない印象を与えてしまう可能性がある。また、これが初出場となる矢野が試合に入りやすいように、という配慮もあったかもしれない。
一方、攻撃面では再三にわたって走者を出しながら、結局は本塁打の1点のみ。もちろん、それで稲葉の決勝本塁打の価値が下がることはないのだが、チームとしての課題は残ったままだ。好投手を相手にした時こそ、戦術的な「揺さぶり」は重要である。こういった試合で多様な攻撃パターンを見せておくことは、今後対戦するチームにプレッシャーを与える効果もあるのだ。
しかしながら、「攻撃の策は乏しいが、虎の子の1点はなりふり構わず守り抜く」という展開は、良くも悪くもこのチームらしい。「逃げ切るべきところを逃げ切れなかった」韓国戦の直後の試合をこのような形で勝てたのは、悪い流れを断ち切る上では良かったのではないか。



